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88歳Iさんの心配

アパートでひとり暮らしのIさん、生涯独身の彼は両親も兄弟も無く、天涯孤独なおひとりさまです。

横浜市の敬老パスを使ってパスに乗って終点まで行き、そこで別のバスに乗って、一日横浜市内をぶらぶらする毎日です。

1年前までは歩いて横浜橋商店街や関内までぶらりぶらりと散歩を楽しんでいました。最近は歩くのは疲れると、もっぱらバスを使うそうです。彼の最大の心配は死ぬことでは無く、死んだ後、人に迷惑をかけないで間違いなく最期まで全て面倒を見てくれることです。

Iさんが天涯孤独でもアパートで暮らすために支援できること。

7年前に契約を結び、アパートを借りるときの保証人にもなっています。当初はデイサービスの利用もしましたが、天涯孤独で自由気ままに暮らしていた自由人のIさんにはデイサービスは苦痛以外の何物でも無かったようで、次第に暴言がひどくなり、デイサービスに行くのを拒否されました。そこで私たちは一歩立ち止まって考えました。中学を出てから働き出し、ひとり暮らしで気ままに生きていた期間が70年にも及ぶ彼にとって、デイサービスは籃に閉じ込められた鳥も同然でした。一切介護保険サービスの利用を止めて本人の自由気ままに任せ、時々見守りに行くだけにすると、困ったことを紙に書いてポストに入れるまでに穏やかになったのです。

天涯孤独なおひとりさまにとって、幸せとは何か、考えました。

不安の解消以外、行政が提供するサービスは彼にとって迷惑以外の何物でも無かったのです。

万一寝たきりになったときは、そのとき考えることにしました。今はここで最期を向かえることができるように、大家さんや不動産屋さんの理解を頂き、何かあったときは財布に連絡先を書いた名刺を入れ、居室の扉にもA3の紙に書いて貼っています。